2017年 ブルガリア 86分
監督:アイザック・フロレンティーン
出演:アントニオ・バンデラス
復讐ものアクション。 ★★☆
愛する妻と娘を惨殺された敏腕弁護士が沈黙の誓いをたてて復讐する、言ってしまえばこれだけの物語。
犯人捜しの過程はともかくとして(上手くいきすぎる?)、それにいたるアクションを楽しむ作品。
尺も86分と短いし。
アントニオ・バンデラスは何故か贔屓の俳優。
先日の「オートマタ」に続いて、(B級アクションと思われる)この作品も鑑賞。
濃い顔の彼が出ていると、つい観てしまうんだよね。
巧みな話術で刑事事件の被告(中には、当然悪人もいたわけだ)を無罪にしてきたやり手弁護士のバンデラス。
仕事に追われて、つい愛する娘との約束を反故にしてしまったのだが、その日に妻と娘が惨殺されてしまった。
いったい誰がこんな酷いことを・・・。早く犯人を捕まえてくれ!
しかし、警察の捜査はまったく進まない。このままじゃ迷宮入りになってしまいそうだぞ。
そこで一念発起したバンデラス、おのれの肉体を鍛えはじめる。
さまざまなマシーンを使っての筋トレ、空手や日本武術の鍛錬。
おお、みるみるうちにバンデラスがマッチョ体型になっていくぞ。
おのれ、この恨み、はらさないでおくものか。警察があてにならないなら俺が恨みを晴らしてやる!
絡んできた4人組チンピラなんて、返り討ちだっ。
バンデラスの見事なアクション場面も出てきて、おお、やるなあ、鍛えてきたからもう無敵だぞ。
でも、くそっ、銃で腹を撃たれてしまったぜ。
すると、ちゃんと助けてくれる通りがかりのER勤務の看護師も登場する。
ワイシャツ1枚羽織っただけの彼女が朝食を作ってくれたりして、おいおい、愛する奥さんがいたのに、いいのか?
2000年前のマルクス・アウレウスの「自省録」の言葉をなぞったストーリー展開は面白い。
そして一人で現場を調べ直したりしたバンデラスは、事件の夜の目撃者も探し当てる。
マフィアが跋扈する地域だったが、犯人はなんと・・・。
お前が犯人だったのか。それにしても、どうしてあんなことを?
復讐を誓ったバンデラスは、言葉を発しないという誓いを立てる。
これには、舌先三寸の仕事にかまけていた間に妻・娘が殺されてしまったことへの反動もあった。
さらには、アウレウスの自省録にあった”言葉よりも実際の行動が大事だ”を実行していることにもなっている。
ま、ありがちと言ってしまえばそれまでのストーリー。
しかし、贔屓のバンデラスが終始、苦虫噛みつぶしの眉引きつらしての頑張りなので、結構引き付けられて観た。
彼のファンなら満足の映画でしょう。ファンでなければ、・・・それなりの映画です。