あきりんの映画生活

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「ダイ・ハード」 (1988年) 世界一不運な刑事はこうして始まった

1988年 アメリカ 131分 
監督:ジョン・マクティアナン
出演:ブルース・ウイリス

シリーズ第1作。 ★★★★

 

伝説的とも言えるこの映画のことを知らない人は、ほとんどいないだろう。
テロリストが占拠した場所で主人公が一人で戦い続ける設定をすれば、ああ、ダイ・ハードのパクリね、といわれてしまうほど(苦笑)。
この映画を初めて観たときは、そりゃあ、その面白さに拍手喝采だった。

 

主人公ジョン・マクレーンブルース・ウィリス)はニューヨーク市警の刑事。
別居中の妻ホリーに会いに、ロサンゼルスの日系企業ナカトミビルを訪れる。
しかし、クリスマス・パーティをしていたそのビルが国際テロリストたちに占拠されてしまったのだ。
孤立無援のマクレーンは、たった1人でテロリストに立ち向かうのだ。

 

主人公の人物造形もこの映画成功の大きな要因だったと思う。
シュワルツネガーやスタローンみたいな、いかにも俺様は強いんだぞ!的な肉体の持ち主ではなく、一介の市警の刑事。
ブツブツと文句を言いながら頑張る。それに、危機的な状況でもユーモアのセンスを忘れない。
親近感が持てる主人公なので、応援する気持ちも高ぶるというもの。

 

マクレーンは身を隠しながら、倒した敵の武器を奪い、ひとりまたひとりとテロリストを倒していく。
次から次へのアクションの連続。文字通り息次ぐ暇もないほど。面白いねえ。
マクレーンは倒した敵の服に挑発するような文言を書いたり、入手した無線機で敵の首領と駆け引きしたり。

 

こうした映画の場合、敵の存在感の有無が大きく影響してくる。
その点、この映画の敵首領ハンスは沈着冷静、冷血非情でずる賢い。
直情型のマクレーンと相対する敵としては申し分がなかった。

 

事件が勃発した時にマクレーンはたまたま裸足だった。だからそれ以後の闘いも裸足。
それに気づいた敵の首領が、ガラスを撃て!と手下に指示する。
割れて散乱するガラス片。床はどこもガラスの破片だらけ。そこを裸足で走り回りながらマクレーンは闘うのだ。
ありゃ痛いよ。そりゃグチも出ようというもの。

 

マクレーンの妻ホリーは人質の中にいる。
そのことがテロリストにいつバレてしまうのかとハラハラもさせられる。

 

腹立たしい奴もあらわれる。
マクレーンを説得してやるとテロリストに取引を申し出る軽薄な奴が出てくる。
事件を知ったマスコミが、ホリーの留守宅に押しかけて余計な報道をしてマクレーンとホリーを窮地に追い込んだりもする。
本当に腹立たしい奴ら。自分の都合で余計なことをするなよ。

 

アクション場面はどんどん盛り上がる。
ハンスは、救助のヘリコプターが来ると騙して人質を屋上に集めて、そこを爆破しようとする。
みんな、そこは危険だ、急いで下に降りろ!
さらには、マクレーンは消火ホースで体をしばりつけて屋上から捨て身のダイビングをする。
(映画冒頭で、マクレーンは高所恐怖症であることが語られている)
もう、すごいよ。

 

とにかく最初から最後まで緩むことのない映画だった。
敵が倒され、無事にビルから救出されて事件が終わっていく。
終始ビルの外からマクレーンを励まし続けたパトロール警官との対面がよかった。
それに、余計な取材をしたニュースキャスターにホリーがパンチをお見舞いしたのも好かった。

 

35年も前の映画だが、今観ても大満足できる。
もし、この映画を未だ観ていない方がいたら、これから楽しむという幸福を経験できるぞ。