2023年 アメリカ 103分 ブラナーが晩年のクリスティ作品をアレンジ
監督:ケネス・ブラナー
出演:ケネス・ブラナー、 ミシェル・ヨー
シリーズ第3作目。 ★★☆
原作はアガサ・クリスティーの「ハロウィン・パーティ」とのこと。
彼女の作品はかなり読んだが、これは知らない小説だった。
なんでも原作の舞台はロンドン郊外の邸宅ということなので、かなりブラナーが脚色しているのだろう。
映画の舞台は水の都ベネチアになっている。
そこの重厚な屋敷での降霊式に名探偵エルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)が参加する。
なあに、降霊術なんてそんなものはインチキさ。私がトリックを見破ってしんぜよう。
その霊媒師役は、宇宙を救ったあのエブエブおばさん(ミシェル・ヨー)だった。
今作では雰囲気を出して熱演だったのに早々と途中退場。
ありゃ、残念。
古い屋敷の中だけで進む物語なので、画面は全体に暗い。
オカルトっぽい雰囲気を出しているわけだが、これ、成功していた?
華やかさに乏しく、どうも楽しくない。
途中でポワロが幻覚を見るような場面がある。ますますオカルトっぽい雰囲気となる。
実はこれは、犯人の策略でポワロが幻覚状態に陥っていた、ということだった。
しかしどうも取って付けたような場面で違和感ありまくりだった。
どうもよろしくない。
ポワロの活躍ももう一つ切れがよくない。
今回の事件に繋がる過去の殺人(!)事件の真相、そしてその犯人の陰にいた今回の事件の真犯人。
そのあたりはポワロによって解明されてみると、なるほど、そういうわけだったかと納得はさせられる。
しかし、その真相にたどり着くロジックがそれほど華やかではなかった。
ということで、ブラナー・ポワロの3作目だったが、前2作よりは落ちる気がした。
でもブラナーはこのシリーズをまた作るのだろうな。