あきりんの映画生活

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「ナイト&デイ」 (2010年)私がいる場合と、いない場合と、どっちを選ぶ? 

2010年 アメリカ 109分 
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:トム・クルーズ、 キャメロン・ディアス

二大スターのアクション・ラブ・コメディ。 ★★★★

 

インド版のリメイク作を観たので、久しぶりにオリジナルを再見。
やはり楽しめる、好くできている。
この映画、トムもいいけれど、キャメロン・ディアスの魅力に持って行かれるなあ。

 

ジューン(キャメロン・ディアス)は空港でロイと名乗る男性(トム・クルーズ)とぶつかり、やっと乗りこんだ機内でも近くの席になる。
そして、化粧直しにジューンがトイレに入っている間に機内は大変なことに・・・(本当に大変。まるで漫画、思わず笑えてしまう展開)。
実はロイはある秘密を握っているために、命を狙われていたのだ。

 

物語は、天才青年(ポール・ダノ)が発明した永久電池の奪い合い。
ロイもCIAの一員だったのだが、そのCIAの中に裏切り者がいたのだ。
そして国際的な犯罪組織もその電池を狙っている。
目まぐるしく追いかけっこがあり、乱闘があり、銃撃戦がある。忙しいよ。

 

妹の結婚式に出るはずだったジューンは、ロイによってはちゃめちゃな事件に巻き込まれていく。
キャメロンがいつものような底抜けに楽天的で、ちょっと天然な感じの持ち味をよく発揮していた。
観客は、事件に巻き込まれていくジューンの視点に立って物語を見ている。
だから、あれよあれよという早い展開に、彼女と一緒に気分良く翻弄される。
ロイっていったい何者なんだ? 信用してしまっていいのか? なんて。

 

ときどきはジューンは眠り薬で眠らされてしまう。そして目が覚めると事態は一転している。
観客も一緒に飛び離れたところへ連れていかれる。
突然南の島の浜辺で目覚めたり、オリエント急行のような列車の中で目覚めたり。
巧いやり方だな。

 

あれよあれよと言いながらもジューンは状況にはちゃんと反応していく。
ロイが運転するバイクに後ろ向きに座り、二丁拳銃(だったっけ?)をぶっ放すまでになる。
射撃の腕もお見事。敵の弾は当たりっこないしね(笑)。

 

一方のトムはイカレテいるんじゃないかと言うぐらいに自分勝手、自信過剰。
でも、それこそ漫画的なほどに凄腕(笑)。
この映画でもトムは走る。屋根の上を走ったり、空港の中(だったっけ?)を走る。
例の一生懸命に手を振る”トム走り”である。

 

ロイが古都の酒場で密会する美女は、あれ?ガル・ガドットじゃね?
彼女が「ワンダーウーマン」になる6年ぐらい前で、「ワイ・スピ」に出始めていたころになる。
数カットだけの出演だったが、やはり美女だな。

 

コメディー・タッチがほどよく加わっていて、バンバン人は撃ち殺されるのだが、軽快に楽しく観ることができる。

 

この映画の公開時に、相前後してジョニー・ディップとアンジェリーナ・ジョリーの「ツーリスト」もやっていた。
あちらは女性が謎の人物で、行きずりの男性が事件に巻き込まれていく。こちらとは男女の立ち位置が逆だった。
ご贔屓のアンジーが出ていた「ツーリスト」だけれど、映画の出来は(アンジーには申し訳ないのだが)こちらの方が上だった。

 

映画の最後に、それまでロイに振りまわされていたジューンが1本やり返すところも、思わずニヤリとさせられる。
さんざん眠り薬で翻弄されていたジューンが逆にロイを眠らせて、窮地から助け出す。
「そんなもの、見ないでも着替えぐらいさせられるわよ、・・・少しは見たかも・・・」

 

映画前半でジューンが語る夢は、いつかホーン岬に行ってみたい、というものだった。
それに対するロイの答えは、「いつか」は永遠に来ないよ、だった。
映画の最後、ジューンが言う、今日がその「いつか」よ。好いなあ。

 

そして、ジューンの決めの台詞は、 「私がいる場合、私がいない場合、どっちを選ぶ?」 好いなあ。