2008年 フランス 93分
監督:ピエール・モレル
出演:リーアム・ニーソン
ヒーロー・アクションもの。 ★★★☆
元CIA工作員のブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン)は、別れた妻のもとにいる一人娘のキムが可愛くて仕方がない。
そんな娘が旅行先のパリで人身売買グループに誘拐拉致されてしまう。
アルバニアあたりが絡むその誘拐組織では、96時間以内に捜し出さないともう助け出すことが出来ないという。
なにがなんでも娘を捜して救いだすぞ。
と、ストーリーは一直線で分かりやすい。
わずかな手がかりを頼りに、かっての任務で培った武闘能力を駆使してブライアンが娘救出に活躍する。
娘を助けるということに決めた瞬間から、行動に迷いがないのがかっこいい!
なにしろ娘のためなら、後先のことなんか全く考えない。これでもかというぐらいに無茶苦茶しよる。
この映画にキャッチ・コピーをつけるなら・・・このオヤジ、イカレてる!
というのは、あのスティーヴン・セガールの映画につけられそうだが、このオヤジも負けじとすごい。
この映画の成功の大きな要因はリーアム・ニーソンの起用にあったのではないだろうか。
それまでの彼は、大勢のユダヤ人を助けた崇高な人であり、「スター・ウォーズ」でのジェダイの騎士だったのだから。
だからセガールに比べれば、同じ元・秘密工作員という設定にしても、知的な感じがする。
そのニーソンが涼しい顔をしてキレルのだから、これはすごい。
情報をとるためには、素人さんの腕だって平気で撃ってしまうぞ、ズドン! うへぇ、そこまでやるか。
余分なものは一切なし。ストーリーのひねりなんてまだるっこしいものも、一切なし。
非情に徹したこのスピード感。
「信用してくれ」「信用はするよ。しかし、容赦はしない!」 びりびりっ!
「交渉を・・・」「交渉の予知はないっ!」 ズドン!
この映画の当時のCMで、あの傑作TVドラマ「24」のジャック・バウアー役のキーファー・サザーランドが、「なにぃ、24時間の4倍も活躍し続けるのか!」と驚いていた(笑)。
邦題も「24」を意識したのだろうな。そういえば、ジャック・バウアーの娘の名前も同じキムだった(この娘も父親を煙たがっていた)。
銃を撃てば百発百中だし、格闘技の腕も半端じゃないよ。おお、ばんばんとやってくれぃ! 悪を懲らしめるのだ! 娘を思うお前に正義はあるぞ。
リュック・ベッソンが制作に絡んでいるからか、カー・チェイスもちゃんとすごい迫力である。
なにも考える必要もなく、痛快に90分があっというまに経ってしまう。
ああ、面白かった。それ以上でもそれ以下でもないのだが、ここまで面白ければ文句はない。これっぽっちもない。
無事にキムと一緒に帰国してきたブライアンだが、娘は迎えに来た新しい父親と一緒に去ってしまう。
淋しいなあ。
と思っていたら、粋なエンディングがあった。ブライアン、よかったね。
好評につきこの96時間シリーズは、このあと「リベンジ」、「レクイエム」と全3本が作られた。
どれも面白いよ。