あきりんの映画生活

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「バウンド」 (1996年)

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1996年 アメリカ 108分 
監督:ウォシャウスキー兄弟
出演:ジーナ・ガーション、 ジェニファー・ティリー、 ジョー・パントリアーノ

舞台限定のサスペンスもの。 ★★★☆

マフィアの一員シーザー(ジョー・パントリアーノ)の情婦ヴァイオレット(ジェニファー・ティリー)は、隣室に越してきた女泥棒コーキー(ジーナ・ガーション)とレズビアンの関係となる。
そして二人は、シーザーのもとへ持ち込まれるマフィアの金200万$を盗もうと画策する。

この映画の3年後に「マトリックス」で大ブレイクするウォシャウスキー兄弟の初監督作品。
はじめの方で、これはセクシャル路線を強調した作品かな、思ってしまった。
ところがすぐに物語は本格的なサスペンスとなっていき、まったく目が離せないということになった。

シーザーにはいがみ合っているドンの息子が金を取ったと思わせるようにして、二人はまんまと金を盗む。
しかし、ここからが大変。
なにしろマフィアの金なのだから、盗んだと見破られたら命がない。
預かった金を盗られたシーザーも必死。そんなシーザーをどうやって欺くか。
金を受け取りに来たドンにはどう対処するか、様子を見に来るマフィアの幹部にはどう対処するか。

マンションの隣り合った二部屋が舞台で、物語のほとんどはこの部屋の中だけですすむ。
それでいて全く飽きさせない。
いつ嘘が見破られるかと緊迫した状況が続く。物語は二転三転する。
これは、よほど脚本がしっかりしていないと出来ないことだよ。

全く知らない二人の主演女優だったが、ボーイッシュなコーキーとフェロモンだらけのヴァイオレットで、レズビアンとなるそれぞれの感じがよくでていた。
ヴァイオレット役の方はボルト映画祭というもので主演女優賞を取っているそうな。
それに、金を盗られて頭に血が上って切れまくりながらも、的確に判断してはヒロインの二人を冷や冷やさせるシーザー役が好演。

ウォシャウスキー兄弟の作品ということで予備知識なしで観たのだが、思わぬ拾いものであった。
後味もOK。
映画自体の切れ味の良さは、やはり、才能か。