1965年 アメリカ 127分
監督:ピーター・ユスティノフ
出演:ソフィア・ローレン、 ポール・ニューマン、 デビッド・ニーヴン
公爵夫人の波瀾万丈な人生。 ★★
公爵夫人として皆の敬愛を集めているレディL(ソフィア・ローレン)が、80歳の誕生日にこれまでの数奇な生い立ちを語りはじめる、という趣向になっている。
娼館へ出入りしていた洗濯女(ソフィア・ローレン)は偶然に知り合った泥棒(ポール・ニューマン)と意気投合して、二人で警察の包囲網を破って気球に乗って逃げ出したりする。
このあたりはコミカルな演出で、あれよあれよという速いテンポで見せてくれる。
しかし、ニューマンがアナーキストになり爆破テロを企てるようになったために、二人は諍いを起こす。
それでもニューマンを愛しているローレンは、彼を助けるために彼女に言い寄ってきた公爵(デヴィッド・ニーヴン)と結婚してしまう。
ニーヴンの貴族姿はさすがに板についている。その豪華な暮らしぶりが当然のこととしている上品さに嫌みがない。
それにしても、ニーヴン侯爵の心情はどうしても理解不能。
愛して結婚までしたローレンに指1本触れずに、彼女がニューマンを愛していることを応援したりするのだ。人が好すぎるぞ。
それに、ローレンもなあ。
ニーヴンの好意をいいことにやりたい放題ではないか。
だいたいが、まるで世間知らずとしか思えないアナーキストのニューマンの、どこがそんなによいのだ? これも理解不能。
しかし、ソフィア・ローレンはさすがの貫禄。そこにいるだけでその場を支配してしまう存在感がある。
全体に上品なコミカル調。
おしとやかな紳士淑女がドタバタとしている、といった感じで楽しませてくれる。
最後の運転手のオチは好かったが、あの爆弾の爆発はなに? あれはまったくいい加減ではないの?