あきりんの映画生活

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「バンク・ジョブ」 (2008年)

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2008年 イギリス 110分
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:ジェイソン・ステイサム、 サフロン・バロウズ

事実に基づいた銀行襲撃もの。 ★★★☆

ジェイソン・ステイサムの銀行強盗ものだし、ま、あまり深みはないけれどもそこそこ楽しめる程度の映画かな、と思っていた。
ところが、なかなかどうして。しっかりした作りで、充分な面白さだった。

鍵となるのは、冒頭に映される南のリゾート地での若者たちのセックス・パーティ。そしてそれを隠し撮りした写真。
その写真に写っていたのは、決して公になってはいけない人物だったのだが、その写真を巡るこの一大スキャンダルは実際にあったことらしい。
映画はそれを基にしているとのこと。

イギリスはすごい。
日本でこんなネタで映画を作ろうとしたら、それだけで黙っていない団体がごまんとありそう(怖)。

ロンドンで中古車店を経営するテリー(ジェイソン・ステイサム)は借金苦の日々だった。
そこで昔なじみのマルティーヌからもちかけられた銀行襲撃計画にのる。
素人仲間を集め、地下を掘り進めて、銀行の貸金庫を狙うのだが、そこには例の写真も保管されていたのだ。

銀行襲撃のときに、外での見張り役が地下にいる実行犯に状況を無線で伝えるのだが(舞台は1971年なので然携帯電話などない時代)、それを警察が傍受する。
警察はどこかの銀行が狙われているのを知るのだが、どこなのかはわからない。
なんとか、無線のやりとりから突き止めようとする。

策を講じる警察は、わざと救急車に各銀行を回らせて、どの銀行に救急車が行ったときに見張りが無線報告するのか、チェックしたりする。なかなかやるなあ。

マルティーヌを操り写真を入手しようとしている黒幕、その黒幕の正体も驚きであり、いろいろな人たちの思惑が絡みあう。
それだけではない。貸金庫には、例の写真のみならず、いろいろな人物が他人に知られたくないものをこっそりと預けている。
それが盗まれたということになれば、それこそ一大事なのだが、人には話せないし、公に被害届を出すわけにもいかない。

こうして単純にお金を盗もうと思っていたテリーたちなのに、いろいろな人物の秘密を握ってしまう。
当然のことながら、秘密組織やらマフィアやら悪徳警官やら、秘密のネタを握られた曰くありげな連中がこぞってテリーたちを押さえようとする。

はたして素人集団のテリーたちは上手く切り抜けられるのか? はらはらさせられる。
どこまでが史実で、どこからがフィクションかはわからないが、荒唐無稽な話のように見えて実際にあったのかもしれないなあと思わせるところが上手い。

テリーが集める仲間もそれぞれの個性がきっちりと出ていたし、暗躍するいろいろな立場の人物たちもそれぞれに存在感があった。

ステイサムの銀行襲撃者だからといってB級映画と決めつけてはいけません。
監督は、あの「世界最速のインディアン」を撮った人だし、これはお勧めできる作品でした。