1984年 アメリカ 114分
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:クレイブ・ワッソン、 メラニー・グリフィス
エロティック・サスペンス。 ★★☆
ヒッチコックを敬愛するデ・パルマ監督が、「裏窓」や「めまい」の設定を巧みにとりいれて造りあげたサスペンス映画。
さらに、彼のことだから、エロが入らないはずがない。全編、これエロティック。
ちなみに、彼の「ファムファタール」なんて、ヌード・シーンはほとんどないのにエロさは満点。
家族で観ていたら居間が凍りつくことは間違いなし。天才的だね。
恋人の浮気から住むところを失ったジェイク(クレイグ・ワッソン)は、ひょんなことで知り合ったサムから旅行中の留守番を頼まれる。高台の豪邸からは隣家の美女をのぞき見することが出来た。
恋人の浮気場面とか、隣人の美女の下着姿場面とか、いたるところでサービス・ショットが満載(喜)。
そうしてジェイクが彼女を盗み見していると、彼女をつけ狙う怪しい男がいることに気づく。
これは彼女を助けてやらなくては・・・。
でもその尾行って、まるでストーカーだな。ランジェリー・ショップでの彼女の着替え場面は覗くし、彼女が捨てた下着をちゃっかり拾ってポケットに入れたりするし。
とにかくB級映画の雰囲気がぷんぷんとする。
主役のグレイブ・ワッソンは全く知らない人だったが、演技も過剰気味。それがさらにチープ感をかきたてる。
デ・パルマのことだから、意図的にそうしたのだろうなあ。
電気ドリルを使った残酷な殺人が起こり(デ・パルマらしいねえ)、犯人はまんまと逃げて行ってしまう。
しかし、巧妙に仕組まれた殺人事件の真相にジェイクは気づく。
といっても、アダルト・ビデオを観ていて気づくのだから、どこまでもデ・パルマらしい。
そして物語のクライマックスとなって映画自体が・・・。なんだよ、それって・・・(呆)。
傑作には遠くなれないままに、最後までB級映画で終わってしまった。
(タイトルの”ボディ・ダブル”の解説のような場面では、またまたサービス・ショットを入れてくれています(嬉)。)
でもデ・パルマはそれでいいやと思っているのだろうなあ。
で、そのつもりで観ると、結構、面白かったのですよ。
公開当時の評判はどうだったのだろう?と、気になってしまった映画でした。