1996年 アメリカ 123分
監督:ジョン・タートルトーブ
出演:ジョン・トラボルタ、 キーラ・セジウィック、 フォレスト・ウィティカー、 ロバート・デュバル
ファンタジー・ドラマ。 ★★☆
不思議な光を浴びてから超人能力を身につけてしまった生真面目な男、ジョージ(ジョン・トラボルタ)の物語。
皆から親しまれていた善良なジョージだったが、地震を予知したり、驚異的な語学習得能力を明らかにしたりしたものだから、次第に周囲から疎んじられるようになってしまう。
正直者過ぎるんだよなあ、ジョージは。
これに似た設定で思い出されるのは、ダニエル・キースの小説「アルジャーニンに花束を」(確か映画化もされていたはず)。
あちらは、知的障害者チャ-リーが実験的な手術によって天才になってしまうというものだった。
でも、チャーリーにはやがて悲しい運命が待っていた。
超能力を身につけてしまったジョージは、自分に起きた出来事に苛立つ。
ジョージは、なぜ俺のような男に奇跡が起こったんだ!と怒鳴る。もっと別の賢い奴に起こればよかったじゃないかと。
正直者なんだ、ジョージは。
そんな主人公をトラボルタが違和感なく演じていた。
トラボルタは、ものすごくキレタ変な奴か、ちょっと困ったちゃん的な面も持つ善良な奴か、そのどちらかという役が多い気がする。
フォレスト・ウィティカーとか、ロバート・デュバルといった脇役が良い味を出していた。
こちらの映画では、終盤近くになってジョージが超能力を身につけた理由が明らかになる。
それはやはり悲しい結末を迎えることを意味していたのだったのだが、最後は心温まる場面である。
決して大作とかいうほどのものではないのだが、意外に良くできた”無印良品”であった。