あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「スプリング・ブレイカーズ」 (2012年)

イメージ 1

2012年 アメリカ 93分
監督:ハーモニー・コリン

無軌道なガールズ・ムービー。 ★★

所用で早稲田に向かう道を歩いていると、おや、こんなところに小さな映画館が。
ちょうど次の映画が始まる時間で、上映時間を確かめると、用事までにはちょうどよい時間つぶしになる。
おまけに、なんと2本立ての上映で入れ替えなし。これは最近では珍しいなあ。
1本しか観る時間はないけれど、それでもシニア割引だと900円だし・・・。
というわけで、何の予備知識もなしに鑑賞。

タイトルにある”スプリング・ブレイク”とは、要するに大学の春休みのこと。
授業中に、男とヤリタイと卑猥ないたずら書きをノートにしているような女子大生4人組。
この退屈な日常から逃げ出すために、スプリング・ブレイクにはフロリダに行こう!

この主演の4人は全く知らない女優だったが、宣伝文によれば”人気アイドル女優たち”となっている。
たしかにどの子も可愛い。
そして映画の始めから終わりまでのほとんどをビキニ姿で動き回る。

さて彼女たち、フロリダに行くお金がない。
でも、絶対にスプリング・ブレイクはフロリダよ! じゃあ、どうする?
というわけで、なんとおもちゃのピストルとバットを持って深夜レストランで覆面強盗をしてしまう。あれあれ。

大金を手に入れて長距離バスでやって来たフロリダは、まぶしい太陽と青い海。
若者たちの無軌道なパーティでは、男たちも女たちもお酒とドラッグ三昧の日々。
これが生きているってことよ!

見かけ上は華やかで、賑やかで、猥雑で、享楽的な日々なのだが、それを観ていると、なんとなく薄ら寒くなってくる。
言ってみれば、はりぼての飾り付けを観ているような薄っぺらさが描かれているわけで、こんなことで本当に満足しているのかい?と、誰でもが思ってしまう。
そのあたりが監督の狙ったところなのだろう。

案の定、彼女たちは警察に補導されてしまったり、怪しげなドラッグ売人の男とつるむようになったりする。
こんな怖い目に逢うのは嫌だと、泣きながら一人は去り、銃で撃たれて怪我をした一人も去り・・・。

それでもとことん享楽的に過ごすことを選んで残った二人は・・・。
最後は、なんとあの東映任侠映画の殴り込み場面となっていく。なんという展開だ!

しかし、彼女たちはセックスについては実に禁欲的。
このプッシーはあんたたちには触らせないわよ、男たちを翻弄したりする。

これ、一種のカルト・ムービーと言えるのではないだろうか。
自分で選んでは観に行かなかったであろう映画だったが、こうして観る機会を得たのも何かの縁だったのかな。