あきりんの映画生活

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「恋路」 (1991年)

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19991年 フランス 119分
監督:ジャン・ルー・ユベール
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、 シャール・ボーランジェ

大人の苦い恋物語。 ★★☆

古い港町を舞台に、ひとりの美しい女性と、彼女をめぐって争った二人の男の物語。
いかにもフランス映画らしい大人の恋物語

水道屋を営むジャン(リシャール・ボーランジェ)は、美しい妻リリ(カトリーヌ・ドヌーヴ)とその父、四人の子供たちと平穏に暮らしていた。
そこにジャンとリリの幼馴染みのイヴォンが20年ぶりに戻ってくる。
長い水夫生活の果てに、彼は黒人の妻と結婚して美しい娘も得ていたのだった。

旧交を温めるジャンとイヴォンだが、かっての二人の争いがお互いのしこりとなって蘇ってくる。
リリは、かってはカーニバルの”白い女王”になるほどだった。そんなリリを巡って恋争いをした二人だったが、なぜかイヴォンヌは突然に姿を消し、リリはジャンと結婚したのだった。

ジャンとイヴォンヌ、二人の男がどっちもどっちと言うほどに腹立たしい。
リリを手に入れたジャンはいつまでも女々しく(リリは本当はイヴォンヌが好きだったのではないだろうか?)、イヴォンヌはいつまでも拗ねている(どうせ俺はならず者だったよ)。

それにもまして、リリが腹立たしい。一体自分の気持ちはどうだったのか、未だに揺れているのだ。
何人もの子どもの母親になっているのに、だよ。

港町の風景は美しい。ナントのカーニヴァルというのは結構有名らしい。
祭りの広場などで演奏される三拍子のシャンソンが心地よい。
踊り出したくなる軽いリズムに乗りながら、どことなく哀愁もたたえている。

ドヌーヴはこの映画の時は40歳代後半。さすがにやや臈長けてきている。

いかにもフランス映画らしい陰翳がある。
それぞれの人物がそれぞれの決意をして映画は終わっていく。
けっしてハッピーエンドというわけではない。苦い人生模様をみせられたなという作品。