あきりんの映画生活

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「ジャージー・ボーイズ」 (2014年)

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2014年 アメリカ 134分
監督:クリント・イーストウッド

フォー・シーズンズの栄光と挫折の物語。 ★★★

クリント・イーストウッドは音楽にも造詣が深い。
自分の映画の曲を自ら作曲したりもしている。ジャズ・プレイヤーの息子もいたはず。
そんなイーストウッドがかっての人気ボーカル・グループの道のりを描いている。

ニュージャージーの貧しい地区の不良青年トミーは、兄たちとやっていた自分のバンドにフランキーを入れる。
フランキーは裏声が独特の歌唱力を持っていたのだ。
そして作曲もできるボブを加えてフォー・シーズンズができあがる。

こういった芸能界の内輪ものは、その分野に興味があるほどに面白く感じられるだろう。
残念ながら私はポップスはあまり聞なかったので、フォー・シーズンズもその名前を知っている程度だった。
それでも「シェリー」や「君の瞳に恋してる」は聞いたことがあった。裏声を巧みに使ったボーカルが特徴的だった。
日本で和製ポップスと呼ばれるものが流行ったときには、たしかパラダイス・キング(坂本九も一時メンバーだった)が「シェリー」を歌っていた。

さて、彼らのバンドは次第に売れっ子になっていく。
売れるまではそれなりに結束があったのだが、有名になるにしたがって仲間内の軋轢も生じてくる。

そうなのだろうなあ、と思う。
グループ活動をしていれば、どうしたって才能の差は出てくるだろう。
フランキーの歌唱力、ボブの作曲能力。この二人の才能は他の二人よりぬきんでていただろう。
しかし、グループを発足させ運営してきたリーダーは、才能的には二人より劣る(不良気質の抜けない)トミーだ。
ひがみ、妬みも出てくるだろう事はよく分かる。

最後の方で、一番目立たなかったメンバーのニックがカメラに向かって独白する、「もし自分がリンゴ・スターだったらどんな気がする?」
そうか、たしかにビートルズの中で作曲もせず、歌も歌っていなかったのはリンゴだったな(汗)。

でも、どうしようもないトミーの大借金を返してやろうとするフランキーは、なんて好い奴なんだ。
それにひきかえ、トミーがホテルのタオルを使いまくるとか、洗面所で排尿するとかでキレまくるニックのしょうもなさも、人間くさくてよかったな。

手堅く、分かりやすい撮り方の映画。
伝記映画の王道とでもいうべき撮り方の映画。
イーストウッド監督でなければ充分に満足してしまう出来なのだが、彼の映画と思うと、ちょっと物足りなさがあった。

最後の大円団。出演者がみんなあらわれて踊りまくる場面は、好かった。

(余談)
TVの深夜番組「タモリ倶楽部」でながれるテーマ音楽「ショート・ショーツ」は、ボブの作曲だそうです。
知らなかったなあ。