1985年 アメリカ 116分
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド
流れ者が活躍する西部劇。 ★★★☆
西部劇大好きのクリント・イーストウッド監督&主演の30年前の映画。
善良な人々を苦しめていた無法者を、通りかかった名無しの男が退治して去って行く。
あれ、こう書くとまるで黒澤映画のようだな(苦笑)。
金の発掘でカリフォルニアが涌いていたころが舞台。
カーボン峡谷で金を捜す善良な人々を、鉱山会社を経営するラフッド一家は嫌がらせをしては追い出そうとしていた。
そんなことろへ、牧師(プリーチャー)姿の男(クリント・イーストウッド)があらわれる。
彼は喧嘩が強く、銃の腕も並外れていた。いったい、彼は何者?
彼はラフッド一家を撃退してくれて、一緒に金探しをしたりする。
嫌がらせに逃げ腰になっていた人々をもう一度団結させてくれる。
しかし、プリーチャーは不思議なあらわれ方をして、不思議な消え方をするのだ。
カメラが切り替わると画面に忽然と姿を現したり、いなくなったりしているのだ。
彼はカメラがとらえていないときにあらわれた? それとも**のように空間移動をしてあらわれた?
ついにラフッド一家と結託する凄腕の悪保安官が、6人の手下を引き攣れて登場する。
クライマックスはこの保安官たち7人とプリーチャーの対決となる。
砂埃が舞いあがる町の広場に帽子だけを残したプリーチャーは、一人また一人と敵を倒していく。
プリーチャーも保安官達も、長い丈のダスターコートを着ている。
そのコートの裾が風にばたばたとあおられる。格好好い。
(私は長い丈のトレンチ・コートが好きで、40年前にロンドンで買ってきたコートをいまだに冬になると着ている。しかし、ああいうダスターコートも好いなあ。今度探してみよう。)
プリーチャーには6発の銃創が背中にあるのだが、彼は最後に倒した悪保安官に6発の銃弾を撃ち込む。
さて、この行為の意味は?
そういえば、悪保安官がプリーチャーの人相を聞いたときに、たしかあいつは死んだはずだが・・・と言ってもいたぞ。
悪の一味を倒したプリーチャーは、一人馬に跨がって去っていく。
少女がその背中に向かって別れの言葉を叫ぶ(決して、プリーチャー、カム・バック~!とは言いませんでした 笑)
蒼白い馬に乗ったプリーチャーは、はたしてこの世の者かあの世の者か。
彼をどちらと捉えるかによって映画の印象が変わってくる。
ちょっと不思議な存在であるような無敵のガンマンを主人公にした西部劇でした。
魅せてくれます。