あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。1800本余りの映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス」 (2002年)

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2002年 イギリス/ドイツ/スペイン/オランダ/フィンランド/中国 92分

7人の監督によるオムニバス。 ★★★☆

機知に富んだ、あるいは映像美を追求した、といった短編映画が好きなものにとっては珠玉の作品集。
持ち時間は、ひとり10分。テーマは”時間”とのこと。
なんとも贅沢な内容となっている。

1.「結婚は10分で決める」 監督:アキ・カウリスマキ
刑務所から出てきた男は、共同経営の仕事を辞め、結婚を申し込んだ女性を伴ってシベリア行きの列車に乗り込む。
風体の上がらない男と女が、寡黙に列車に乗っているだけの映画だが、どこまでも沈んでいくような、カウリスマキ監督らしい作品。
窓外の景色を見ている男は、祖国がまだあるかどうか見ているんだ、と言ったりする。

2.「ライフライン」 監督:ビクトル・エリセ
気怠い午後の田舎風景。ゆりかごで眠る新生児の白い服がゆっくり血に染まっていく。
料理をしている母親も、新聞を読んでい老人も、野原で遊ぶ少年も、誰もそのことに気付かないで、ただ午後の時間が流れていく。
新聞には、ナチスが進行してきた記事が載っている。
この作品を初めて観たときは(この映画は3回ぐらい観ている)、まだビクトル・エリセのことは知らなかった。
しかし、美しく静かな画面はとても印象に残った。
あとになって「ミツバチのささやき」、「エル・スール」を観て、納得したものだった。

3.「失われた一万年」 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク 
南米の森林で文明を拒否していた先住民のドキュメント。
あまり面白くなかった1本。

4.「女優のブレイクタイム」 監督:ジム・ジャームッシュ
ロケ先の女優が、トレーラーの中での休憩時間を過ごす様を描いている。
入れかわり立ち代わり、スタッフが現れ、その合間をぬって、どこか投げやり風な電話を恋人にかけたりする。
ジャームッシュ監督らしい淡々とした捉え方で、どこか虚しさ感を漂わせていた。

5.「トローナからの12マイル」 監督:ヴィム・ヴェンダース
ヴェンダースのことだから、やはり一種のロード・ムービー。
しかし、ひとり車を運転している男は、誤って劇薬か何かを飲んでしまったらしく、一刻も早く胃の洗浄をしてもらわなければならないのだ。
病院を探して田舎道を必死に車を走らせる男。
そのうちに意識はもうろうとしてきて、視界も歪んでくる。
さて、男はどうなったのか。

6.「ゴアVSブッシュ」 監督:スパイク・リー
この監督にガチガチにやられると、私はちょっと勘弁してくれと言いたくなるところがある。
しかし、この短さだとドキュメンタリーの持つ迫力が充分に味わえた。
題材は、様々な不正が噂された2000年のあの大統領選挙。
大接戦で敗れたゴア陣営の選挙スタッフのインタビューで構成されている。

7.「夢幻百花」 監督:チェン・カイコー 
引っ越し屋の男たちが、依頼された場所に行ってみると、そこには家も何もない。
依頼者の奇妙な要求で、彼らは見えない荷物を運ぶ(真似をする)。
これは怪談なのだろうか。
あまりぴんとこなかった作品。

実は、この企画には15人の監督が参加している。
残りの8作品は「10ミニッツ・オールダー イデアの森」に収められている。