あきりんの映画生活

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「哭声/コクソン」 (2016年)

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2016年 韓国 156分
監督:ナ・ホンジン
出演:クァク・ドウォン、 國村隼
オカルト・サスペンス。 ★★★☆

とても疲れる映画を観てしまった。
物語がすすむにつれて、いったいこの映画はどこへ向かうのだ?と思わされる。
それも、これでもかというような強引な力強さでぐいぐいと物語が展開するものだから、観ている方も必死になってしまうのだよ。

のどかな田舎の村で。村人が自分の家族を惨殺するという事件が連続して起きる。
どの事件でも、殺人をおこなった者は体中に奇妙な湿疹ができており、完全に正気を失った状態で現場にいた。
犯人に何が起きたのだ?

気のよさそうな村の警官ジョング(クァク・ドウォン)が捜査をおこなうのだが、謎は一向に解決しない。
はじめは毒キノコによる食中毒の精神錯乱が原因かと思われる。
しかし、そのうちに村人たちは、いやいや、最近山の中に引っ越してきた日本人(国村隼)が怪しいぞ、と言い始める。
彼が来てからこの連続殺人事件が起きるようになった、彼が元凶だ。

ジョングを演じている俳優はふっくらとした顔つきで、少しとぼけた感じ。
それがこの映画のおどろおどろしさをよりいっそう際立たせていた。
つまり、主人公は観客と同じようにこの事件を恐ろしがっているのである。
(この俳優は、ちょっとダチョウ倶楽部の上島竜一に似ていた 汗)。

やがて、ジョングは自分の幼い娘にも、これまでの事件の犯人たちと同じ湿疹を発見する。
そして無邪気にかわいらしかった娘は父母に暴言を吐き、獣のように飯を食べ始める。
これは・・・、まるで「エクソシスト」ではないか。
はて、これは凶悪犯のサスペンス映画ではなく、パンデミックなパニック映画でもなく、あれ、オカルト映画だったのか!

娘が何者かの悪霊に乗り移られているのではないか。ジョングは娘を何としても守らなければと、祈祷師を村に呼び寄せたりする。
この祈祷師の除霊の場面がすごい。
烈しい音楽が鳴り渡り、火がたかれ、祈祷師は奇妙に踊り狂う。すごい迫力である。

それと対抗するように、謎の日本人も山奥の家で何やらの祈祷をおこなっている。こちらもすごい迫力である。
両方の祈祷場面が争うように交互に映し出される。
あまりの祈祷の狂乱ぶりに、観ている者もトランス状態になるのではないかと思うほど(苦笑)。

(以下、ネタバレ)

謎の日本人は頭に鍬を打ち込まれても、まだ生きている。
彼は本当に悪霊だったのか!
謎の白い服の女性も出てくるのだが、彼女は何者だったのだ?

謎の日本人を演じた國村隼は韓国の青龍映画賞助演男優賞を受賞している。
同映画賞では初めての外国人受賞者とのこと。

2時間半越えの長さだったが、それはまったく感じなかった。それだけの内容は持った映画だった。
韓国映画のドロドロとしたパワーを見せつけられた映画だった。
それにしても、ぐったりと疲れた。