2018年 日本 116分
監督:中田秀夫
出演:北川景子、 千葉雄大、 田中圭、 高橋メアリージュン
現代社会のサスペンス。 ★★☆
タイトルからは、単純にスマホを落としたことから始まるドタバタ劇かと思っていた。
ぜんぜん違った。いろいろ入っていた(笑)。
富田(田中圭)がタクシーに置き忘れたスマホは、誰かに拾われる。
そしてそのスマホから恋人の麻美(北川景子)に電話がかかってくる。
スマホをたまたま拾ったというその男性のおかげで無事に富田のスマホは戻ってくるのだが・・・。
スマホをなくすことなんて、誰にでもありそうなこと。
そしてたいていの人は、そのスマホに何やかやと個人情報的なことを詰めこんでいるだろう。
確かにそのスマホを落として、悪意の人に見られてしまったら・・・そりゃ、大変だ!
そんな身近なぞっとするような怖さを上手く利用していた。
そうなのだ、冨田のスマホを拾った人物は、サイコパス的なITオタクだったのだ。
私はその手には疎いのでよくわからないのだが、詳しい人にはスマホのロックを外して中味を見るなんて朝飯前のこと?
冨田と麻美に厄災が降りかかってくる。
注文もしていない高額商品大量購入のクレジットカード請求。
あんたから連絡をもらったわよと、親しくない友だちからのしつこい連絡。
アカウントが乗っ取られると、いろいろと大変な事態が起こってしまうようだ。
もう生活はめちゃくちゃ。
しかし、この映画はそのスマホ騒動だけを描くのではなかった。
なんと、平行して若い女性の連続殺人・遺体遺棄事件が描かれるのだ。
さらに、あまり詳しくは書けないが、麻美にはどうやら隠したい過去もあるようなのだ。
ということで、物語の裾野はどんどん広がっていく。
スマホだけのタイトなお話ではなかったのだね(苦笑)。
(以下、ネタバレ気味)
犯人は長い髪で顔を隠して映される。
さて、こいつは誰だ?
こういったサスペンスもののお約束として、これまでの登場人物の誰かでなくてはならない。
さあ、こいつは誰だ?(笑)
(以下、ネタバレのツッコミ)
IT刑事の加賀屋に(犯人と思わせるような)いかにも怪しげな台詞を言わせたりしたのは、ちょっとやり過ぎ。
それに、加賀屋が現場の遊園地にたどりついたのが、ただの勘です、というのは、そりゃないだろう(怒)。
それと、よく考えれば、麻美の過去の物語は、スマホ騒動と、それに犯人が絡む連続猟奇事件に必要だった?
あれ、要らなくね? 原作はどうなっていたのだろ?
現代的な、身近な発端から広がるお話です。
だから、今だからこそ面白く観ることができました。