2016年 日本 124分
監督:森義隆
出演:松山ケンイチ、 東出昌大、 染谷将太
天才将棋棋士の実録もの。 ★★☆
将棋界を舞台にした映画は、先日「3月のライオン」を観ている。
あちらはコミックが原作だったが、今作は実在した天才棋士・村山聖を描いたもの。
羽生善治名人もちゃんと登場してくる。
幼い頃から難病のネフローゼ症候群を患っていた村山聖(松山ケンイチ)。
くり返す入院生活中に覚えた将棋に打ち込み、名人位になることを夢見る。
才能は開花して、若き天才棋士として頭角を現していく。
勝負事の世界は厳しい。
とにかく勝敗がすべての世界である。
年長だろうが、先輩だろうが、その勝負事の序列には関係しない。厳しい。
どんなに努力しても、どんなに人柄がよくても、勝負事には持って生まれた才能の優劣には逆らえない。厳しい。
羽生名人の局面を観ていた棋士同士の会話で
他のプロ棋士「おい、どうやったら詰むんだよ?」
村山「一体どうやったら詰まないんですか?」
才能がない者はどうやったって才能ある者の世界には入れないのだ。
しかし、村山の人間性はかなり歪んでいたように思える。
自分の生命が長くないことを知っており、それゆえにこそ将棋の勝敗にこだわる。
こだわる故に、他人のことを思いやる余裕も失っていく。
周りの人の支えがなければ、日常生活はとてもやっていけない状況であるにもかかわらず、だ。
その村山をとりまく出演陣は好かった
師匠役のリリー・フランキーも、才能的には自分を凌駕している村山を思ってくれる。
そしてそんな切羽詰まった生き方をしている村山のライバル・羽生善治役の東出昌大もよかった。
表情や仕草まで、まるで羽生名人そのものになりきっていた。
ある対局の後に村山が誘って羽生と二人だけでひっそりと飲む場面があった。
ここは好かった。
おそらく実際にあったことなのだろう。村山の思い出として羽生が語ったことなのかも知れない。
村山は29歳で亡くなる。
もし、彼が行き続けていたら、その後の将棋界はどうなったのだろうか?
しかし、「こんな体に生まれなければ、将棋にも出会っていないし、羽生さんに挑戦することもなかったと思う」ということだったのだろう。
私の好きな囲碁界を舞台にした映画もできないものだろうか。
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