あきりんの映画生活

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「パリ、恋人たちの影」 (2015年)

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2015年 フランス 73分
監督:フィリップ・ガレル

屈折した男女の愛。 ★★

 

モノクロで撮られた73分の映画。
物語は単純で、ふとしたきっかけで夫が浮気を始めてしまう。
そして、実は妻も浮気をしていた。
内容はただそれだけの映画だった。

 

夫ピエールはドキュメンタリーの映画制作をしている。
妻マノンはそんな夫の才能を信じて支えている。
それなのにピエールは出会った研修生のエリザベットとの情事に溺れていく。
妻帯者と知りながらピエールを愛したエリザベットだったが、ピエールはただ彼女の身体だけを求めている。

 

説明的な部分は少なく、ただ映像を観る者の前に投げだしてくる。
登場人物の会話も少なく、映像から物語を感じながら観ている。

と、そのエリザベットは、偶然マノンがカフェで男と密会していることを知る。
エリザベットからそのことを聞いたピエールは、自分のことは棚に上げてマノンを責める。

 

男はとにかく身勝手なのだ。
自分が浮気をするときには何らかの口実を自分に設けるか、あるいはそんなことすら考えない。
女は、そんな男の態度には何かを感じてしまうのだ(女の感覚は怖ろしい 汗)。
そして今まで愛していた男に対すて疑問を感じてしまう。

 

愛の拠り所を失った女は別の男に愛を求めようとする。
ピエールは、自分が浮気しているにも関わらず、まさかマノンが自分と同じように浮気をしているとは露ほども考えていない。
男はとにかく、行動も考え方も身勝手なのだよ(汗)。

 

お互いに相手の浮気を知った二人は罵り合って別れる。
1年後に再会した二人は・・・。

 

フィリップ・ガレル監督といえばヌーヴェルヴァーグの次世代の旗手として名を馳せ、ゴダールの再来といわれた監督。
さすがに雰囲気はいかにもフランス映画らしいお洒落なものとなっていた。

しかし、あまりにも物語は一直線だった。表面的なことに流れていて心理を捉えるところまで入っていなかった。
物語ではなく、映像と雰囲気を味わう映画だった。