2023年 アメリカ 134分
監督:アンディ・ムスキエティ
出演:エズラ・ミラー、 マイケル・キートン、 サッシャ・ガジェ
DCの新シリーズもの。 ★★★
めちゃくちゃ速いスピードで移動できるフラッシュを初めて観たのは「ジャスティス・リーグ」でだったろうか。
こいつは”なごみ系”担当の若者か、マーベルでいえば軽妙なキャラのスパイダーマンみたいな立ち位置かなと思っていた。
そのフラッシュ主演の本作、評判は好いようだ。
フラッシュことバリー(エズラ・ミラー)はとにかく早く移動できる。
冒頭に爆発崩壊する高層ビルからたくさんの赤ちゃんを救出するバリー。
彼は移動していても、落下途中の赤ちゃん(と、犬)はみんな静止している状態。
そう、早く移動できるってことはこういうことなんだと、映像で見せてくれる。納得です。
そのバリーは幼いころに母が殺されていた。しかもその犯人として父が逮捕されてしまっていた。
ああ、なんとかして過去を変えられないかなあ・・・。
そうだ、ものすごく早く移動して、時の流れよりも早く移動して、そうすれば過去に行けるぞ。
過去に戻ってお母さんを助けるんだ。お父さんの冤罪を晴らすんだ。
という展開は、あの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を想い浮かべれば判りやすい。
この映画でも、現在のバリーは過去のバリーと出会う。
お前、もう少ししゃんとしろよ。何言ってんだ、俺はお前だぞ。・・・あれ?
なにやかにやと過去の出来事を変えて、母が死なない世界にしたバリー。これで好し。
しかし現在に戻ってみると、あれ、一緒に世界を助けていたバットマン(ベン・アフレック)が別人のバットマン(マイケル・キートン)になっているぞ。
それにワンダーウーマンがいない世界になっているぞ。
そうなのだ、バタフライエフェクトが起こっていて、現在は元の世界とよく似てはいるのだけれどもいろいろなことが少しずつ違ってしまっているのだ。
今の流行の言葉で言えばマルチバース、昔からの言葉で言えば平行世界、多次元宇宙となっていたのだ。
このあたりが面白い。
もちろん母が生きていてくれて嬉しいのだが、仲間がいなくなっている世界はなんだか寂しいなあ。
おや、ワンダーウーマンはいなくなってしまったが、代わりにスーパーガール(サッシャ・ガジェ)がいるぞ。
おまけにスーパーマンが倒したはずだった悪の権化、ゾッド将軍が地球攻撃をしてきた。
さあ、みんなでと力を合わせて闘おう!
アクション場面も過剰ではなく、好いあんばいだった。
ラストにバットマン・カーからバットマンが降り立ってくる。
バットマン、生きていてくれて好かったよと駆け寄るバリー。でも、あれ?このバットマン、誰?
やはり父親が無罪となる証拠があった世界は少し変わっていたのだ。
そのバットマンはマイケル・キートンではなくて、なんとジョージ・クルーニーだった。この遊び心は好いねえ。
極端に暗いものも作るDCだが、本作は適度にユーモアがあって楽しめた。
続編作るのなら、じぇったいに、じぇったいにスーパーガールは続投させてくれよ。