あきりんの映画生活

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「女と銃と荒野の麺屋」 (2009年)

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2009年 中国 90分
監督:チャン・イーモウ

ドタバタ・コメディ? ★★★

先頃チャン・イーモウ監督の静かに沈み込んでいくような作品「妻への家路」を観た。
2009年の本作はあれとはとはまったく違う作風の映画。う~む。
たしかに色鮮やかな画面はイーモウ監督のものなのだが・・・。

荒涼とした大地の中にぽつんと建つ麺屋が舞台。
この設定からして現実離れしている(このポスターの写真からしてすごいでしょ)。

住んでいるのは尊大な主人のワンと、お金で買われてきた妻、それに3人の住み込み従業員。
登場人物には一人としてまともな奴なんていやしない。みんなどこかおかしい。

ワンは妻を虐げているのだが、その妻は従業員の一人と不倫をしている。
そして妻はワンを殺そうと画策してペルシャの行商人から銃を購入する。
しかしワンもそのことを知ってしまい、彼は小悪党の警官に妻と不倫相手の殺しを依頼する。

こうして隙あらば相手を殺そうとして、みんなの悪意と策略がぐりんぐりんと渦を巻いていく。

イーモウ監督らしい画面。
鮮やかな色調で気候が移り変わり、その中で鮮やかな衣装を着た奇妙な登場人物たちが交差する。
あの「HERO」などでも見せた様式美がこれでもかとあらわれてくる。
麺屋が建つ荒野は、まるで火星なのではないかと思わせるような非現実感がある。
時折り荒野のなかを走りぬけていくのは、奇妙な風車を装備してサイレンのような轟音を響かせる黒ずくめの警官隊。

オリジナルはコーエン兄弟のデビュー作「ブラッド・シンプル」。
だものだから、基本的にはブラック・コメディ。なるほど。

終盤になり、殺し合いが始まる。
振り回される剣、壁を貫く弓矢が、ビーンとしなったりすると、ああ、やっぱりイーモウ監督だなと思ってうっとりとしてしまう。

独特の美意識が貫かれていて、それでいてドタバタとしたブラック・コメディです。
ハマル人はハマります。