2010年 中国 98分
監督:シュエ・シャオルー
出演:ジェット・リー
父息子のドラマ。 ★★☆
ジェット・リーが、これまでの売りだったアクションを封印して撮った親子のドラマ。
水族館で働くシンチョン(ジェット・リー)は、男手ひとつで精神薄弱児の息子ターフーを育ててきた。
しかし、シンチョンは末期癌に侵されていた。
残り少ない人生で、シンチョンは息子がひとりで生きていけるようにと、日々の生活のやり方を教え込もうとする。
冒頭は、海に飛び込んで親子心中をしようとする場面。
しかし、泳ぎの得意なターフーは足を縛った紐をほどいて、無邪気に泳いでしまう。
それならばと、シンチョンは、ターフーに食事の作り方やバスの乗り方、買い物の仕方を教えていく。
はじめは一人でバスから降りることも出来ないターフー。
ターフーをバスに残して、シンチョンは一人で降りる予定の停車場に先回りして、物陰でターフーを待ったりする。
細やかな父親の愛情があちらこちらの場面から伝わってくる。
周りの人々も、みな好い人ばかり。
シンチョンが働く水族館の人たちはターフーがプールで泳ぐのを黙認してくれる。
シンチョンの家の向かいに住む女性は、彼に行為を抱いて、何くれとなく手助けをしてくれる。
しかし、余命が少ないシンチョンはその愛に応えることは出来ない。
そしてターフーが仲良くなるピエロのお姉さん・・・。
監督のシュエ・シャオルーは、あの「北京ヴァイオリ」の脚本を書いた人。
しみじみとした好いお話です。
この映画の悪口はあまり言いたくありません。
しかし、あまりにも好いお話にしすぎたか、といったちょっとひねくれた感想でした。