2016年 アメリか 123分
監督:ポール・グリーングラス
出演;マット・デイモン、 アリシア・ヴィカンダー、 ヴァンサン・カッセル、 トミー・リー・ジョーンズ
帰ってきたジェイソン・ボーン。 ★★★★
ジェレミー・レナー主演のスピンオフ作品「ボーン・レガシー」が作られ、もうマット・デイモンのボーンはないだろうと諦めていたところに、なんと10年ぶりの本作。
これは嬉しい。
何くれとなくボーンに協力してくれていたニッキー(ジュリア・スタイルズ)が序盤で退場してしまったのは、なんとも気の毒。
(彼女は、記憶を失う前にはボーンの恋人だったことを匂わせる台詞も、以前の作品にあった)
代わりに本作で登場するのが若手CIA工作員のヘザー・リー(アリシア・ビカンダー)。
頭脳明晰でIT機器を駆使して、自分自身も組織に売り込んでいく。
抜け目がない悪女的な面を発揮して、存在感がすごい。
さすがにいろいろな映画で賞にノミネートされるだけのことはある。
そして、悪の元締め(!)CIAの長官にはトミー・リー・ジョーンズ。
このごろは宇宙人だったりもする彼は、思い起こせばかってはハリソン・フォードを追い詰める追跡者だったんだ(笑)。
さて物語は、ニッキーからの新しい情報をもらったボーンが動き始めるところから始まる。
CIAは世界中に情報網を張り巡らせている(恐ろしいなあ)。
そのCIAがボーンの顔映像を確認して、ジェイソン・ボーンが今ごろどうしてあらわれた? と驚きの声をあげるところは、彼のファンとしては嬉しくてたまらんなあという感じだった。
今回もガチを思わせるアクション場面は迫力満点だった。
前半に、ギリシャの暴動騒動で混乱する中での追跡劇がある。
騒ぎつづける群衆の中でボーンとニッキーが必死に逃げる。
そして執念の工作員アッセル(ヴァンサン・カッセル)が必死に追いかける。
周囲で騒ぎつづける群衆も興奮。映画を観ている私も興奮(笑)。
ラスベガスの街中でのボーンとアッセルのカーチェイスもすごかった
警察の装甲車というものがこんなに強烈なものだということも初めて知った。
他の一般車両を次々にふっ飛ばしながら走る。すごい車体能力を持っていたんだなあ。
ここも手に汗握る場面。
物語は、正直なところ、ややマンネリ感があった。
なにしろ前作までで自分のアイデンティティは取り戻してしまった感があったのだから、あとは第1作への理由探しということになるわけだ。
物語展開の興味はそれだけ少なくなってしまうので、アクションで頑張るということになってしまっていた。
しかし、ボーンが帰ってきてくれれば、そんなことはどうでもいいのです。
ジェイソン・ボーンならぬもう一人のJ.B.、ジェームズ・ボンドだって、ボーンの影響を受けて最近はガチ・アクション映画になったではありませんか。
次回作、あるのだろうか?