2018年 日本 118分
監督:堤幸彦
出演:杉崎花、 北村匠海
一室での推理ゲーム。 ★★★
人気の若手俳優を集めて、その人気で撮っただけの映画かと思っていた。
いやいや、なかなかに本格的な推理ゲームものだった。
原作は冲方丁とのこと(未読)。
ネットで情報交換をして、安楽死を求める若者12人が廃病院に集まってくる。
みんなで一緒に練炭自殺をしようというのだ。
ところが、集まったその部屋にはすでに13人目の死体がベッドに横たわっていた。
えっ、死んでいるこれは誰? 誰が殺したの?
若手人気俳優との触れ込みなのだが、残念なことに私はひとりも知らなかった。
(「きみの膵臓を食べたい」の主人公が出ていたのだが、覚えていなかった 苦笑)
だから、まずは登場人物の12人を覚えなくてはいけないぞ。
しかし、自殺願望のあるものばかりだから、それぞれにクセがある。
ヤンキーだったり、おどおどしている奴だったり、高飛車な奴だったり。癌治療中の者もいれば、ゴスロリ衣装の子もいる。
上手く描き分けられていて、混乱することはなかった。
この映画は基本的には、閉ざされた場所での会話による推理劇。
集団自殺を早くやろうという者もいれば、それは13番目の人物の謎を解明してからだという者もいる。
そしてこの場でのルールは、全員が賛成しなければ自殺を敢行しないということ。
みんなで討論を交わすうちに、各自が抱えたドラマも、自殺希望にいたったわけも明らかになってくる。
各自の証言から、それぞれが思っていた時間軸が修正されていく。
あのとき、こんなことになっていたのは、そういうことだったのか。
じゃあ、嘘をついているのは誰だ? 死体を運び入れたのは誰だ?
物語の決着の付け方は、これはもう観る前からわかっていたとおりだった。
まあ商業映画だから、そうするしか仕方がないことのだけれども・・・。
そこを差し引いても充分に面白い映画だった。
推理もの好きなら、観ず嫌いは勿体ないですよ。